■ 相続した空き家は放置しておいて大丈夫?
「実家を相続したものの、遠方にあるから管理ができず、放置することになりそう。」
「いつか処分しようと思っていて、そのままになっている。」
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回のブログでは相続不動産を空き家にするとどのような問題があるのか、トラブルに備える方法はあるのか、見ていきたいと思います。
■ 日本の空き家は何軒あるのか?
日本には、2018年時点でおよそ348万戸の空き家※があります。
(※長期にわたって人が不在で、以降も放置される可能性が高いもの)
日本全国の総数が6,240万戸ですので、約5.6%が放置空き家になっているわけですね。
2025年には団塊の世代のすべてが75歳以上になることや、少子高齢化が進むこともあり、今後、空き家の数はさらに増えていくと予想されます。
そのため、政府も空き家を減らすための制度を強化していますし、これからもその傾向は続いていくことでしょう。
■ 空き家が問題になる理由
空き家が問題視される理由は、主に次の3点です。
・周辺の景観・治安を乱す
・害獣の発生源になる
・老朽化による住宅倒壊の危険性上昇
● 周辺の景観・治安を乱す
過去のニュースをひも解くと、放置空き家では「監禁・麻薬売買などの犯罪」「放火事件」などが発生しています。また、長期間人の出入りがないため不審者が住み着きやすいという問題もあります。
● 害獣の発生源になる
家屋に発生する害獣といえば、一般的にはネズミが挙げられます。山林に近い場所にある空き家は、ハクビシン、アライグマなども住み着きやすいようです。これらの害獣による排泄物は、不衛生な環境を広げるだけでなく、建材の腐敗を進行させます。また農作物を荒らしたり、人を噛んだり、ウイルスの媒介元となる恐れもあります。
● 老朽化による住宅倒壊の危険性上昇
2023年8月、福岡で木造2階建ての住宅が倒壊し、1週間にわたり市道が通行止めになりました。倒壊した家屋は30年間ほど空き家の状態が続いていたようです。けが人が出なかったのは不幸中の幸いだといえるでしょう。
公益財団日本住宅総合センターのシミュレーションによると、たとえば放置空き家の倒壊により、隣家が全壊し、住人(夫婦・8歳の女児)3人が死亡した場合の損害賠償額は約2億円にものぼるということです。(https://www.hrf.or.jp/webreport/pdf-report/pdf/songai_shisan-2.pdf)
倒壊には至らずとも、台風などの災害で家屋の一部が落下・飛散する恐れもあります。
■ 空き家のトラブルに備えるには
空き家は様々なトラブルの元凶となり、時として近隣にお住まいの方にも大きな被害がおよびます。問題が深刻化すれば、裁判沙汰・賠償責任問題に発展しかねません。
住宅トラブルのリスクに備えるといえば「火災保険」。空き家となってからも保険料だけは払い続けている方もいらっしゃるでしょう。ただ、保険会社によっては空き家を保障対象外としている場合や、居住者の有無で保険料が変わったりする場合があるのはご存じでしょうか?
そもそも火災保険は、火災や自然災害などで加入者の住宅が被害を受けた時の費用を保障するものです。法律上、重大な過失でなければ隣家へ火災が燃え移ったとしても損害賠償責任は問われません。ただし、空き家を放置し、出火・放火しやすい状況を作っていたとみなされると重大な過失であると判断される可能性もあるでしょう。
延焼で隣人がケガ・死亡した場合や、近隣に迷惑を掛けたことへの見舞金など、第三者への損害賠償に備えるには、火災保険への加入だけでなく特約をつける必要があります。これは空き家だけでなく、現在お住まいの住宅であっても同じです。
「放置空き家」に心当たりのある方は、いま一度保険証券をご確認ください。
■ 空き家を相続する可能性があるときは
ここまで空き家が生むトラブルや、そのリスクへの備え方を見てきました。
空き家はそこに存在し続ける限り、保険料以外にも、固定資産税などの各種税金や管理費用が固定費として発生します。
相続人への金銭的・心理的な負担を和らげるためにも、空き家にかかる税負担の軽減制度や自治体の補助金制度などを活用し、早い段階での空き家の処分・売却をおすすめします。
アラキ住宅は、創業50年。
宝塚市・伊丹市・川西市の地域密着の不動産会社として、空き家となっている不動産の処分・売却をお手伝いしています。
残置物の撤去から解体・売却まで、関係業者と協力しながら、専任の担当者が一貫対応させていただきます。
すでに空き家になっている物件も、これから空き家になる可能性がある物件も、どうぞお気軽にご相談ください。