相続する不動産の中には、「負動産」と呼ばれる負の財産が存在します。
負動産を相続した場合、どのように対処すればよいか悩む方も多いでしょう。
今回は、宝塚市で負動産を相続することになった際に知っておきたい情報をご紹介します。
◆負動産とは?
負動産とは、価値がなく利益も生み出さない不動産を指します。具体的には、以下のような例が挙げられます。
・バブル時代のリゾートマンションや別荘
現在は価値が下がり、買手がつかずに管理費や固定資産税だけがかかる物件。
・賃貸物件の空室
空室が多い場合、建築費用を回収できず赤字経営となる物件。
・親から相続した家
核家族化に伴い、空き家になって負動産化しているケースが増加しています。なお、2015年度には「空き家対策特別措置の施行・税制」が改正、令和6年4月1日からは所有者不明の空き家をなくすための取り組みとして、相続不動産の登記が義務化されるなど、空き家増加を取り締まる動きは今後も厳しくなっていくことが予想されます。
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◆負動産の処分方法
負動産を持ち続けることは費用面だけでなく、場合によっては精神面でも負担になるため、早めに処分することが重要です。
具体的には以下の方法が考えられます。
・売却
負動産は売却するのが一般的な方法です。
近年はオンラインで全国的に対応する不動産業者も増えていますが、宝塚市に熟知した不動産業者を活用することで、地元のネットワークを活かした宣伝・販売活動を行ってくれる場合があります。
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・空き家バンクの利用
宝塚市が運営する空き家バンクに登録します。なお、登録料は無料です。
掲載後、早期に成約に至る確率が高いため需要は高いものと考えられます。
関連リンク:空き家バンク(宝塚市)
・国に引き渡す
土地の所有権を国に引き渡す「相続土地国庫帰属制度」を利用することで、負動産を処分することができます。
ただし、利用にあたっての条件が厳しかったり、手数料などが発生したりといった負担もあるため、一概にお得であるとは言えません。
関連リンク:相続土地国庫帰属制度(法務省)
◆相続放棄の選択肢
まず、相続には以下の3つの方法があります。
・すべての財産を相続する(単純承認)
・すべての財産を相続しない(相続放棄)
・財産を条件付きで相続する(限定承認)
このうち、負動産を所有しないためには相続放棄も考えられます。相続放棄とは、亡くなった親などが残した一切の財産を引き継がないことを言います。負動産だけでなく貯蓄などのプラスの財産も相続できなくなるため、よく考えて決断しましょう。手続きは、相続が発生してから3か月以内に家庭裁判所で行う必要があります。この期間内に答えが出ない場合は、相続放棄のための申述期間の延長を申請することもできますが、何も行わなければ自動的に相続が行われたものと見なされ、すべての財産を相続することになります。
◆まとめ
負動産を相続する可能性がある場合、3か月以内に相続放棄するかどうかを決定することが重要です。相続放棄する場合は家庭裁判所で手続きを行い、相続する場合は負動産の処分方法を考え、できるだけ早く対応することをおすすめします。これにより、固定資産税や維持費の出費を抑えることができます。